世界は実に多種多様な民族がいて、言語があり、文化がありますね。
なかでもニューヨークはMelting pot(人種のるつぼ)といって、あらゆるバックグラウンドをもった人々が集まることで有名です。
どうやらそれは、100年前も既にそうだったようで、1892~1954年の間に1200万人もの人々がアメリカに移住していたとのことです。
そのため、ニューヨークを見れば世界を見るのと同じこと。
移民のポートレートで当時の世界を知りましょう。
ラッキーなことに、このほど当時の白黒写真に色がつけられ、移民たちの真の姿が垣間見られるようになりました。
では皆さん、100年前のNYにタイムスリップしてみましょう!!!
<海外「なんで日本!?」日本ではアメリカのお菓子もこうなってしまうようです
ニューヨーク移民のカラー写真
#1 グアドループの女性, 1911
グアドループは、カリブ海にあるフランスの海外県です。
女性が被っている布は、マドラス・チェックと言われており、古くはインド・マドラスにおいて植民していたスコットランド人の影響と言います。
後に、植民の触手がカリブ海にのび、マドラスの織物が伝わったのです。
#2 ルーマニアの笛吹き, 1910
コジョク(cojoc)という羊皮のコートですが、あまり装飾がないのは、彼が労働階級であることを示しているといいます。
ベストはルーマニアのもので、pieptarと呼ばれます。
#3 ルテニア人の女性, 1906
ルテニア人とは現在のベラルーシ人とウクライナ人の祖先にあたります。
シャツとアンダースカートは、伝統的な花のモチーフの刺繍がほどこされており、ジャケットは羊皮でできています。
#4 ルーマニアの羊飼い, 1906
羊皮を3、4枚縫い合わせた、サリカと呼ばれるマントを着ています。
羊毛をそなえ、ひざ下まであるこのマントは、野宿の際には枕にも使われるそうです。
これは羊飼いの伝統的な着物です。
#5 ラップランダー, 1910
サーミ人は、英語圏ではラップランダーという名前でも知られています。
北ノルウェーからロシアのコラ半島における北極圏に住む人々です。
彼らの着るガクチ(Gakti)はトナカイの皮、羊毛、ビロード、シルクが使われており、多くが青色です。ブローチや宝石の飾りもみられます。
式典や仕事のとき、また既婚か独身かの判断にも使われるそうです。
#6 アルザス=ロレーヌの少女, 1906
アルザス=ロレーヌとは現在のフランスに位置していますが、何度かフランスとドイツが覇権を争ったことで知られています。
両者の中間にあるためか、中心都市ストラスブールには欧州の主要国際機関が多く配置されています。
大きなリボンはschlupfkàppという名前をもち、黒であればプロテスタント、明るい色であればカトリックを表しています。
#7 オランダ人の女性, 1910
ボンネット(後頭部深くにかぶる帽子)はオランダ人にみられる帽子です。
綿やレースから作られ、垂れつきや羽根つき、写真のように帽子が中にある仕様になっています。着物も伝統的な服装とのことです。
#8 ヒンドゥーの少年, 1911
日よけ帽子は、インド亜大陸において地域ごとに種類があり、文化的な意味を含むそうです。
ムスリムの間でも使用され、タキヤ(taqiyah)として知られています。
着物と祈祷用の肩掛けは、チャルカ糸車を使った手製となっています。
#9 イタリアの女性, 1910
頭に被っているベールが特徴的です。
この着物は手織りであり、足首まで覆うほど長く大きく作られています。
また、結婚式などの際は、花の模様があしらわれたエプロンを着用するとのことです。
#10 デンマークの男性, 1909
とてもスッキリした出で立ちです。
柄は野菜から取られる染料を用いたため、地域によって大きく異なるようです。
男性はジャケットの下に何枚かシャツを着用し、銀のボタンや他の装飾はその人の富や個性を示すためのものだったそうです。
#11 コサックの男性, 1906-1914
コサックは19世紀に軍事階級に昇格し、国境警備や警察として働きました。
この男性は、ウスリー川のコサックで、羊毛のパパーハ(帽子)と緑のチョハ(コーカサス人のコート)が特徴的です。
コートには弾を入れるポーチが大量にそなえられています。
#12 アルバニアの兵士, 1910
この帽子はケレシ(qeleshe)と呼ばれ、地域によって形が異なります。
Jelekというベストは、シルクや綿の編み込みの刺繍がされています。
色や装飾によって、出身地や地位がわかるとのことです。
この男性は北東の地域の者だそうです。
#13 ノルウェーの女性, 1906-1914
ノルウェーの民族衣装はバナド(bunad)と呼ばれます。
農村においては、家庭で羊毛をもとに作られていました。
地域によって装飾は豪華なものもあれば貧相なものもあるそうです。また、被り物によって女性が既婚かどうか判断できます。
#14 ギリシャ正教の聖職者
なんとギリシャ正教における礼服は現在でも大きく変わらないとのことです。
裾の長い服であるカソックを着ています。
この堅い円筒状の帽子は、kalimavkionといい、職務の際に使用します。
#15 バイエルンの男, 1910
トラクテン(trachten)というのがドイツの伝統的民族衣装になります。
灰色のジャケットはtrachtenjankerといい、羊毛と角のボタンをそなえ、狩りの際も使用されました。
写真ではわかりませんが、レーダーホーゼンとは、バイエルンをはじめとした地方で履かれていた半ズボンです。
これは現在でも、オクトーバーフェスト(ドイツのお祭り)でみることができます。
#16 アルジェリアの男性, 1910
アルジェリアはベルベル人、アラブ人、アフリカ人、地中海の人々で形成されています。
大きな被り物はクーフィーヤと言います。イカールというラクダの毛で作った輪がはめらています。
カフタンというチュニックの上にはバーヌース(マント)が羽織られており、白からこげ茶色まであり、地域がわかります。
海外の反応
・ なんで当時の色がわかっるわけ?
↑当時の絵画や本、色が塗られた写真をもとにした努力のたまものさ。
・ こんなの想像もできなかったな。
・ カッケー!!
・ 素晴らしいね。
・ 3番の女性、俺の親父にそっくりなんだが・・・。
・ いろいろあってかわいい!!
・ カラー写真すごい!当時の生活を感動でもって見ることができる。言うことなしだ。
・ #1の女性はなんと誇り高く、威厳を放っているんだろう。
・ #4重いだろ!
・ #12なんと精密で美しいんだ。
・ とても厳格な目を皆している。昔は過酷だったんだろうな。
・100年前の移民たちのリアルな姿・・・感動がとまらない。
・衣装もそうだけど、彼らの表情や眼光には、なにか熱いものを感じるな!
・もうすぐハロウィーンだけど、これらを参考にするのもおもしろいかも!!
アメリカは移民で成功した、というか移民の国だけど、日本の移民政策はどうなるんだろう?
安倍総理 「韓国人の移民に、世界最速で永住権を与える国にする。 乞うご期待です」
なんか複雑な気分になったな。
こんな多様性に溢れた人たちの子孫が今は全員、アメリカのどこかで同じようなダサいTシャツを着てグラサンかけて燃費の悪そうなSUVを乗り回しているのかと思うと失われたものも多いよな。
自分たちのルーツとか、祖先の誇りみたいなものを本当の意味で知ってる人間がどれだけいるのか。まあ、これは日本人も同じようなことが言えるのかもしれないけど、アメリカなんかもっと酷いよな