「金の成る木があったらなー」
なんてことを考えたことが皆さんもあると思いますが、「宝石の降る惑星」があったとしたらどうでしょうか??
実は、そんな夢みたいな観測結果がこのたび報告されました・・・!!
ホットジュピターHAT-P7b
ホットジュピターというものをご存知でしょうか?
木星(ジュピター)とはガスを主成分とするガス惑星です。
岩石や金属を主体とする岩石惑星(固体惑星)である地球とはまったく違いますね。
そして、私たちの住む太陽系内にある木星は、表面温度が−140度ほどの冷たい惑星として知られています。
一方、この木星とおなじガス惑星でありながら、高温で存在しており、太陽圏外にあるものをホットジュピターといいます。
今回調査されたHAT-P-7bもこの「熱い木星」のひとつになります。
そして注目されたのは、この惑星にただよう雲を構成する成分です。
コランダムでできた雲
みなさん空から降ってくるものといえば何を思い浮かべますか?
冗談を抜きにして答えれば、雨、雪、ひょう、あられといったものが挙げられるでしょう。
これらはすべて水をもとにしていますね。
つまりは地球上の雲は水からできており、私たちは水性のものが落ちてくる世界しか知らないわけです。
しかしながら、です。
HAT-P-7bにおける雲は、コランダムという酸化アルミニウムでできているのです。
これはウォリック大学のデイビッド・アームストロング博士が、観測中、大気上で輝く雲が移動していたのを発見したことから導き出されました。
酸化アルミニウムは鋼玉(こうぎょく)とも言い、これに色がついたものをルビーやサファイアと呼びます。
雨の代わりに、ルビーやサファイアが降ってくる・・・。宝石の降る世界とは、なんともワンダーランドですね!!
それにしても、なぜそんなことが起こりうるのでしょうか?
秘密はこの惑星の温度にあります。
HAT-P-7bの、恒星との距離は非常に近く、それを一周するのに2.2日しかかかりません(地球が太陽の周りを一周するのは365日ほど。これを1年としている)。
このため、その熱にさらされる半球部分の温度はなんと2500℃にのぼります。
酸化アルミニウムの融点は2072℃なので、宝石でも容易に液体に変化することができるのです。
そして、恒星の光熱があたらない、夜側の半球の温度は1500℃ほど。
つまり、惑星上の高温側ではルビーは雲になり、低温側ではルビーが降っているだろうことが考えられるわけなのです!!
「よし、みんな行くぞっ!!!!」
そんなゴールドラッシュばりのノリになりたいところですが、残念ながら行けそうにありませんね。
凄まじい気温と凄まじい天候を封じるなにかがあれば別ですが・・・。
これを乗り切る発明とはどんなものなのでしょうか??
海外の反応
・ シンプソンズではドーナツ降ってたで。
↑最初タイトルだけ見てさ、速攻でコメント欄見たわけよ、シンプソンズのネタないかって。いたよ。
・ 1000光年先の雲と天気がなんだって?30年前なんて見つけるのも無理だったろ。本当変わったな。
↑このタイプの惑星は簡単さ。いまの人工衛星技術はもうこんなの朝飯前なんだよな。
・ 自転と公転が同期してる惑星なんだけどさ、もっと本当は見つかってるのかもしれないな。
↑月は自転と公転が同期してるから、常に同じ面を地球に見せてるんだよな。そういうのって惑星間の距離が近いから、重力や光の歪みが観測しやすくて、発見しやすいよ。
↑この手の惑星は本当に接近してるな。惑星を発見する時ってさ、星の光で判断するんだけど、恒星とウチらの視点の間に来た時に見えるわけだな。このとき、その見える/見えないの間隔が短いと、恒星と惑星の距離が近いってわかるのさ。その意味でも発見しやすいとおもうよ。
・ おい、油田ねらってるような奴には黙っておけよ!
・ ルビーとサファイアかー。制汗剤として、脇にみんな塗ってるなんていうのは秘密かな。
・ ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ルビーズ・アンド・サファイアズってところかな。(ビートルズの曲Lucy in the sky with diamondsにちなむ)
ここに植民して人生一発逆転してやるぞ!